ひとり芝居・覚え書き 中島淳一 vol.1
 吉田松陰は昨年の初演以来、通算18回の上演をした。
特筆すべきはやはり、2002年の4月20日の萩・松陰神社・
松下村塾での野外公演であろう。
 その日の朝、雨の中をバスツアーの一行と共に福岡を
出発。萩も昼過ぎには大雨に見舞われるだろうとの予報
に不安がよぎる。たしかに到着した時点ですでに空はどん
よりと曇っていた。野外公演は断念せざるを得ないのか。
「いや、決行しましょう」という主催者の言葉に準備は着々
と進む。 
 夕刻の空は暗雲たちこめ、境内は強風につつまれ今にも
大粒の雨が落ちてくる気配である 天を仰ぎ、ひたすら祈る。
開演の刻限きっかりに かつて、ありし日の松陰が講義をし
た八畳の部屋に立ち、唸り声をあげる風の中の観客にむか
って最初の声を発する。芝居は無事終了。照明機材をつみ
こみ、車に乗り込んだとたん滝のような雨が降ってくる。感慨
無量であった。来年も4/19(土)に再演となる。   2002年11月
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